22年前に近鉄四日市駅西側すぐに“駅前博物館”としてオープンした、四日市市立博物館。
22年前と言えば、まだパソコンやインターネットが普及しておらず、携帯もほとんどない時代でした。
今の時代は、インターネットでなんでも情報が取り出せてしまう世界。情報があふれています。
そんな劇的に変わったこの20年間で、博物館の役割も大きく変わりました。
それに対応した、全く新しい「四日市市立博物館」が、3月21日13時に、10か月の工事期間を経てとうとうリニューアルオープンします!!
四日市市立博物館の外側は何も変わっていませんが、中身はすべて変わったと思ってください。
内覧会での様子を紹介いたします。
【1階】エントランスホール(無料)ミュージアムショップ、講座室は引き続きありますが、情報検索コーナーが、展示交流学習スペース・図書コーナー・研修実習室に様変わり。
特に、研修実習室は、四日市公害と環境未来館と呼応した昔の小学校の教室風。コンビナートに近かった小学校の一室に見立て、古めかしい窓枠の外には工場煙突が見え、後ろにはうがいをするための蛇口が設けられています。
【3階】常設展示<時空街道>(無料)四日市市出身の作家、故丹羽文雄さんの自宅応接間を再現した丹羽文雄記念室は、そのまま残されており、2階に早くいきたい場合のショートカット動線として使えます。
それ以外の常設展示は全く新しくリニューアルされています。
まずは、ほぼ文字情報・展示ケースはありません。すべて原寸大再現展示。その時代時代のものが実物大で再現されています。
入口には、「時空街道の旅」とし、プロローグ的な映像が流れています。
そして、「久留倍の村」として原始・古代の住居を再現しています。
弥生時代の久留倍官衙遺跡の時代として、大人二人、子供一人の人形が出迎えます。これは弥生時代の骨格のデータから作られているリアルな大きさ、形です。
かやぶき屋根は本物の職人さんにしてもらっていて、服もその当時の技法を使って作られています。経年劣化したような柱の色などはかなりリアルに仕上がっており、映画の大道具を作っているノウハウで作られたとか。

その次は「中世」の四日市。いわゆる「市」が並び始めたころ。
簡易的な作りの店が立ち並び、海産物や反物、わっぱなどが売られています。
その壁には、鈴鹿山脈のリアルな背景画が。雲がリアルですが、これを書いたのはなんと「雲の神様」とも呼ばれ、黒澤映画やゴジラ・ガメラなどで背景画を担当した島倉二千六氏が書いたとのこと。島倉氏は鈴鹿山脈の並びを見に行って実際にそこで書いたとのことです。
壁にはプロジェクターを使って人が動いたり鳥が飛んでいたりします。また照明効果で朝・昼・晩も変わったりします。ちなみに春バージョンの木や野菜は、秋には展示替え(季節替え)されるそうです。

その後、「近世」の四日市。東海道の宿場町が再現されています。
問屋場(といやば)と呼ばれる荷物運びを手配する郵便局のようなところには、隣の宿場町までいくら、とかいうのが書いてあったりその運ぶ馬(木曽馬)がいたり。
宿は、あがってもいいようになっており、そこで食事する人(人形)も。きちんと戸も閉められるようになっています。また、影絵で四日市での当時の会話を楽しむことができます。
そして、「追分まんじゅう」のお店では、弥次喜多道中の話が繰り広げられ、リアルなまんじゅうも蒸されています(もちろん本物ではありません)。このお店は、秋頃には、焼き蛤のお店に変わるかも!?

資料がない分、お手持ちのスマホなどで、情報を出すことができます。
AR技術を使ったもの。
http://guidance.city.yokkaichi.mie.jp/で情報が得られます。博物館内はWi−fiも無料で使えます。
それを越えると2階に下りていく階段・エレベーターになります。
その壁には、当時の港の様子が映し出されています。
【2階】<時空街道><四日市公害と環境未来館>ここは、近代の四日市。明治以降の生活や歴史が学べます。
まずは四日市港。稲葉三右衛門の築港などの解説の後、昭和の部屋が再現されています。かまどなども当時の形で、博物館所蔵の資料などもそのままその部屋に混ざっています。

そして、昭和の塩浜地区の海軍燃料廠からの戦後のコンビナートへの変貌、そして四日市公害の発生の歴史が展示されています。

2階の中央には四日市のジオラマが投影されており、四日市空襲や四日市公害の状況などを見ることができます。

そして昭和30〜40年代の部屋も再現され、コンビナートの煙で黒くすすがついている洗濯物も。

また、裁判シアターでは、四日市公害裁判に関わった方のインタビューや裁判の状態などが上映されています。

部屋を変わると公害への対処の現物や紹介。

そして最後の部屋では四日市の企業紹介と、現在の自然の紹介、メッセージを書くと画面に表示される面白い仕掛けも。画面には四日市らしい四日市の建物も描かれています。
【5階】プラネタリウム<GINGA PORT401>5階展示が「コズミックギャラリー」、天文学習室が「コズミックラウンジ」、そしてプラネタリウムが「コズミッククルーザー」として、宇宙に旅をする「宇宙の港」をイメージされたつくりになっています。

まず、コズミックギャラリー(展示)では、宇宙服(レプリカ)がドンと構え、窓枠には宇宙が映し出されています(プロジェクターで)。

また様々なJAXAの展示がありますが、プラネタリウム入口は、乗り場表示のよう。

そして、プラネタリウムの中は世界に誇れる機械が導入!!
「ケイロン401」と名付けられたプラネタリウムはなんと、世界で一番たくさんの星を写しだすことができるギネスに載っている五藤光学の最新プラネタリウム。その数、1億4000万個(前回は2万5千個でした)。天の川の星々がすべて星として映し出されているという細かさ。また、目で見られる9500個の星にはすべて色が付けられてまたたきをするとてもリアルな星空が再現されています。ぜひ双眼鏡を持って見てみてください。

また、ドーム全天に映し出す「全天周映像」は、世界で初めて8Kプロジェクターがプラネタリウムに導入されました。リアルな宇宙旅行、惑星旅行が楽しめます!リアルすぎます。

オープニング番組として「アース・メッセージ〜かけがえのない惑星へ〜」が投影されますが、これは四日市のオリジナル番組。「はやぶさ」のCGプラネタリウム番組を手がけた「ライブ」チームなどが作ったリアルなCG映像です。
また、星空解説時に見ていただきたいのが、地上の風景です。

四日市港ポートビルからの映像が映りますが、昼と夜で変わるのは当たり前、なんと、その映像自体が良く見ると動いているんです。煙が動いていたり、煙突が点滅していたり、車が動いていたり電車(JR)が走っていたり…。この風景は、なんと12Kの映像になっています(擬似的に)。
また、座席は、人間工学に基づき作られた四日市オリジナルのプラネタリウム専用シート。開発には中央小学校のみんなにも手伝ってもらって体の圧力、頭の位置などを測ったとか。ボタンを押すことができるようですのでクイズなどでは使えるのでしょうか。

そして音響は、全部で60台の独立したスピーカー。前から、横から、後ろから様々な音が聞こえてきますが、足元に仕込まれた44台のスピーカーが、ロケットの振動や足元から聞こえる虫の音などを再現します。
もう、何もかもが自慢できてしまう、世界に誇れるプラネタリウムが完成です。
4階は特別展示室となります。
こんな、四日市市立博物館、プラネタリウム、四日市公害と環境未来館が3月21日にオープンします。
3月21日は7時30分から列の整理開始(プラネとそのほか)。
プラネタリウムの整理券は12時30分頃から配布開始(1人5枚まで)。
そして、13時から開館となります!
ぜひ、みなさん、お出かけください!!
■四日市市立博物館
http://www.city.yokkaichi.mie.jp/museum/■四日市市立博物館・プラネタリウム
http://www.city.yokkaichi.mie.jp/museum/150321.html■四日市公害と環境未来館
http://www.city.yokkaichi.mie.jp/yokkaichikougai-kankyoumiraikan/